自分たちの音楽を世界にどうやって届けるのか?
「Apple Music」や「Spotify」など、ストリーミングサービスを始め、「Amazon」や「iTunes」などダウンロード販売を世界中で可能にするには、卸業者(ディストリビューター)と提携するのが主流です。
実際にぼくも「kojirou」名義で絶賛配信中です。
もしも自分たちの力で、自分たちの音楽をデジタルで、世界中に配信したいのであれば、ディストリビューター経由で配信することをおすすめします。
ぼくはTuneCoreというディストリビューターを選びました。
配信までの仕組み
流れは簡単。
曲の制作(ミュージシャン)→卸業者(ディストリビューター)→各配信サービス会社→世界中で配信開始!
このような流れになります。
ディストリビューターを介さずに、各配信サービスの会社と連絡を取ることは容易ではありません。
できなくもない、ですが英語でのやり取りや契約事の知識が必要になるので、実際にミュージシャンが直接行うのは合理的ではないでしょう。
要するにディストリビューターは難しいことを全部してくれる存在、と思ってくれれば良いです。
音楽性への口出しとかも当然ありません。
主なディストリビューター
多くのディストリビューターは英語サイトの為、登録から配信までのハードルが少し高く感じます。
また配信後の管理や問い合わせなども英語でのやり取りとなることが予想されるので、英語が堪能な人以外は日本語対応のディストリビューターを利用することをおすすめします。
現時点で日本語に対応している大手は「TuneCore Japan」「CD Baby(料金表記は英語)」の2社。
なお、掲載情報はHPから引用したまとめです。
細かい条件は公式ホームページや、実際に無料登録して確認されることをおすすめします。
2017年11月調べ | |||
TuneCore | CD Baby | ||
料金 | シングル | ¥1,410〜 | $9.95 |
アルバム | ¥4750〜 | $49 | |
リングトーン | ¥1410〜 | – | |
契約期間 | 1年〜 | なし | |
利益 | デジタル音源 | 各配信先ストアによる。 詳細はこちら。 |
ストアから計上される売上の91% |
CD、レコード販売 | 基本100%。ただし配信先ストアによる場合も。 | 売価から$4を引いた残り | |
その他 | – | CD Babyのストアでのダウンロードは売価の91% | |
日本語対応 | ○ | △準備中? | |
収益可能なストア | iTunes Store | iTunes | |
Apple Music | Amazon | ||
Amazon | |||
music.jp STORE | Google Play | ||
oricon ME! | YouTube | ||
Spotify | Spotify | ||
KKBOX | など | ||
うたパス | |||
レコチョク | |||
mora | |||
Media Do | |||
Google Play Music | |||
e-onkyo music | |||
LINE MUSIC | |||
AWA | |||
SMART USEN | |||
dwango.jp | |||
OTOTOY | |||
Rakuten Music | |||
mysound | |||
ディスカバリー・サービス | |||
Gracenote | |||
Shazam |
現時点では「TuneCore」がおすすめ

完全日本語対応です。
また申請から配信までの流れが早く、レスポンスも良いです。
「Q&A」が参照できるのも「TuneCore」。
分からないことをWEBで調べられるメリットは大きいです。
今後「CD Baby」が日本語に対応することがあれば選択肢が増えるかもしれません。
現時点で不明確な点が多く、ミュージシャン自身が体験してみないと実態が掴みにくいのが「CD Baby」です。
ただし、日本語サイトの準備が進んでいる様子も伺えます。
またどちらの会社も、登録しないと見れない情報が多いです。
ここで説明してしまうと先方の情報開示となって問題になる可能性も考えられるので、詳しい情報は登録後に確認することをおすすめします。

「TuneCore」のこれからの動きと「CD Baby」の日本語化にはこれからも注目したいと思います。
これからのミュージシャンの活動、音楽の流通の仕方
今回はデジタルでの音楽配信についてまとめました。
最近は「Note」や「BASE」など、個人が物を売ることに特化したサービスが増えてきました。
ミュージシャンはCDやレコードの販売でそれらのサービスを活かせると思います。
販売、配信の仕方が多様になってきた昨今なので、自分のスタイルに合わせて拡散する作戦を練ってみてはいかがでしょうか。
ミュージシャンは音楽を作るのに専念すべき!と言ってもいられない時代になりました。
これまでのミュージシャンの売れ方のスタンダードは、メジャー契約を目標とし、レコード会社にマネージメントを任せることでした。
バンドマンがライブ会場で手売りのCDを売っていたのも、全てはメジャーレーベルと呼ばれる大手レコード会社と提携を結ぶ為です。
(もちろんその流れは今もあります)
ただ、今はディストリビューターを介せば、個人でも世界に向けて音楽を発信できます。
これは人によっては吉となり、凶ともなりえます。
自分たちでやれることが増えた、リスナーに直接音楽を届けることができる!と考えられる人にとっては吉と出ます。
逆に、やるべき仕事が増えた・・・と考える人にとっては、大手のレーベルやオーディション、コンペなど、これまでのアプローチを続けた方が良いでしょう。
ディストリビューターを介して、個人でどこまでやり切れるかが、成功の鍵を握っています。
良い音楽を作るだけではなく、セルフマネージメントが上手いミュージシャンは、良い音楽を流通させることができます。
逆にセルフマネージメントが下手だと、どんなに良い曲でも流通させることは難しいでしょう。
ぼくは専業で音楽を作っている訳ではないので、もちろんプロではありません。
でもそんな中でも本気で音楽のことを考え、作曲を続けようと思っています。
そして、そんな人は世界中にごまんといます。
昔に比べて誰でも音楽配信ができるようになった分、ライバルも増えました。
でも、面白い世の中だと思うし、これこそひとつの職業として「ミュージシャン」のあるべき姿なんじゃないかと思います。
最後にHi-STANDARDの横山健氏のインタビュー(2013年頃)をのせておきます。
当時、これを読んですぐにEvernoteに保存しました。
そして何度も読み返し、頷きました。笑

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